三重県名張市は11月11日、7月28日に実施した約7000万円の市発注工事の条件付き一般競争入札で、数値の入力ミスにより予定価格(設計金額)を実際より過大に積算する誤りがあったと発表した。

 市によると、この工事は同市平尾の県道奈良名張線地下の水道管(計430メートル)更新工事で、入札には市内土木業者14社(うち1社辞退)が参加。10社が最低制限価格未満の7069万円で無効となり、3社が7070万円の最低制限価格で入札した。

 翌日、無効になった10社のうち2社が異議を申し立て、市は落札を保留するとともに調査を実施。誤りが見つからず、8月10日にくじ引きで落札した1社と契約した。

 9月27日に無効になった10社が連名で公開質問状を提出したため市が再調査したところ、積算誤りが判明。撤去する管の処分単価を市職員が工事費積算システムに入力する際、マイナス5万4750円とするところをマイナス5万4570円と誤って打ち込んでいた。これらにより、予定価格は3000円過大となり、連動して最低制限価格は1万円過大となっていた。

 市は10月27日に10社向けに説明会を開き、謝罪。一方、工事は8月に着工しており、入札をやり直した場合に契約した業者への補償が必要になることなどを理由に、継続して工事を進める方針だ。

 市は「積算誤りは入力ミスを見落としたのが原因で、担当室内での確認をさらに徹底するなど再発防止に努める。設計違算が判明した時の取り扱いのルール化も検討する」としている。

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