三重県名張市は9月1日、交通安全に関して各地域の自治会などが市に提出した要望に対し、担当職員が事務処理を怠り、回答が滞っていたと発表した。不適切な処理は2020年度から21年度までに計7件が確認され、最長2年弱の期間、放置されていた。

 市都市整備部によると、地域から市に提出された交通安全施設に関する要望のうち、信号機や横断歩道の設置など、警察の交通規制が伴うものは、市都市計画室の担当職員が名張署に取り次いでいる。同署が結論を出すと市長宛てに回答書が返送され、その写しは要望の提出者にも伝えられる。

 ところが今年7月、2年前に提出した要望への回答がないと、ある自治会長から市に問い合わせがあり、その後の市の調査で同室の当時の担当職員(主幹級)が複数の事務処理を怠っていたことが発覚した。関係書類は、異動先の自席で持っていた。

 処理が行われていなかったのは、地域から受理した要望書1件と同署からの回答書6件。普段の勤務で欠勤や遅刻はなく、市の聴き取りに対しては「いつか処理しよう、いつか処理しようと、ずっと延び延びになっていた」などと説明しているという。

 市は地域の関係者や同署に経緯を説明し謝罪するとともに、調査の上、不適切な処理をした職員の処分を検討する。今後は、要望書を受理する際に複数人で確認し、その後の処理状況をより細かく記録するなど再発防止策を講じるという。

 北川裕之市長は「当該地域関係者の皆さま、並びに市民の皆さまの信頼を裏切ることになったことは誠に遺憾であり、心からお詫び申し上げる」とコメントした。

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