【6月にあった東海理化との練習試合に臨むミキハウスの選手たち=伊賀市治田で】

 7月14日に開幕する社会人野球の全国大会「第94回都市対抗野球大会」(毎日新聞社、日本野球連盟主催)に近畿地区第2代表として出場するミキハウス硬式野球部は、本社所在地の大阪府八尾市からの出場だが、選手らは三重県伊賀市治田にある同社物流センターに勤務し、隣接する専用球場で練習に打ち込んでいる。昨年は悲願の初勝利を挙げ、3年連続4回目の出場となる今回は更に上の目標へ向けて一丸となっている。

小河内選手(左)

 1995年の創部以来、活動休止やクラブチーム化を経ても、練習拠点は伊賀のまま変わらない。初出場の2021年は優勝した東京ガスに初戦で敗退。昨年は1回戦で東邦ガス(愛知)に3‐2で競り勝ち、2回戦では優勝したENEOS(神奈川)に敗れたものの、チームの歴史に新たな1ページを刻んだ。

 今年のチームは「いい意味で諦めが悪くなった」と充実した表情で語る陣田匡人監督(44)。「2年続けて優勝チームと対戦し、目標が「都市対抗に出る」ことから「都市対抗で1勝」に変わり、昨年ついにそれをかなえた。陣田監督は「相手がどこであってもしっかり準備し、自分たちの野球ができるようになってきた」と手応えを感じている。

 昨年は近畿地区第3代表だったが、今年は第2代表決定戦で三菱重工West(兵庫)を延長10回タイブレークの末に破り、第2代表となった。中盤までに5点をリードされる苦しい展開も、7回に一挙4点を返して1点差とすると、9回に追いつき、10回にサヨナラ勝ちを収めた。

打撃面の成長

 三塁手の大西友也主将(29)は「守りからリズムを作る流れは今年も変わらないが、負けても無得点で終わる試合が減り、打撃面が成長した」と分析。チャンスに強い左打者の島澤良拓選手(24)ら新加入陣の活躍も刺激になっている。昨年敗れたENEOSとは順当に行けば準々決勝で顔を合わせるが、大西主将は「一つひとつ勝ち進み、昨年の借りを返せたら」と士気を高めている。

大西主将

 打線をけん引するリードオフマンの小河内健吾選手(24)は、津市一志町出身。津商高、中京大を経て21年に入団し、内野手として1年目からレギュラーに定着した。2年目は打撃フォームの改造などがうまくいかず、先発出場の機会も失ったが、入団以来コンビを組む主砲の田中秀政選手(26)との打撃練習を通じ、「過信せずに、プラスになることを吸収しよう」と切り替え、自分のバッティングを取り戻していった。

 3年目の今季は、第2代表決定戦で反撃のビッグイニングの口火を切る適時打を放つなど、再び1番打者として輝きを放ち始めた。直面した2年目のジンクスも「自分の中でとても大事な1年間になった」と前向きにとらえ、打てている現状も「なぜ打てているのかを考えるようにしている」と冷静さを失わない。「自分が出塁して、1つ先の塁に進む」。その先には大舞台でのチーム2勝目、3勝目が待っているはずだ。

 ミキハウスは17日午後6時からの1回戦で、南関東第1代表の日本通運(さいたま市)と対戦する。会場は東京ドーム。

2023年7月15日付847号18面から

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