三重県は2月8日、伊賀市西之澤のリサイクル業者が有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)が含まれた変圧器2台を紛失したと発表した。

 県伊賀地域防災総合事務所によると、1月6日に業者から「保管していたPCB廃棄物が見当たらない」と報告があり、判明した。県の聴き取りに対し、業者は「2021年9月ごろに事業所内の片づけを行った際に作業員が他の鉄くずと合わせて回収業者に排出してしまった可能性が考えられる」と説明しているという。同事務所は業者に対し、引き続き所在を調査するよう指導している。

 県などによると、PCBはかつて電気機器の絶縁油として使用されていたが、1968年の「カネミ油症事件」をきっかけに、健康被害や環境への影響が懸念される物質として国内での製造や輸入が禁止された。保管している業者には、毎年報告の届け出をすることが法律で定められているが、紛失した業者は昨年の届け出をしていなかった。

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