【バイオガス発電のプラント前に並ぶ従業員の皆さん】
今年創業40年目を迎える株式会社大栄工業(本社・三重県伊賀市西明寺)は、伊賀地域を拠点に食品リサイクルと建設資材製造の2本柱の事業を手掛けている。名張市蔵持町原出にある名張工場では、建設資材の生コンクリートを製造販売し、伊賀市真泥にある三谷工場では、2本柱の両方の事業を担当している。従業員は59人、年商は約20億円。三谷工場を訪ね、総務経理部課長の阪田大介さん(41)に話を聞いた。

山を切り開いた広い敷地には、食品廃棄物をリサイクルして堆肥化する施設、バイオガス発電を行うプラント、砕石やがれきの破砕施設と地盤改良材を製造する施設などが並んでいる。ここは、資源を無駄にせず再利用する循環型社会の実現やクリーンエネルギーへの変換などを通じて、SDGs(持続可能な開発目標)を日々実践している拠点だ。
リサイクル事業では、スーパーやコンビニ、ホテルなどから排出される食品廃棄物を集荷して再資源化している。同工場では、生ごみなどの食品資源と木くずなどの木質資源とを混ぜ合わせて発酵させ、「堆肥」を製造している。
同社では、「液肥」を近くの米農家に無償で配布して自然にやさしい土づくりを支援し、育った特別栽培米を工場内にある設備で精米。化学肥料の使用量を抑えた安全でおいしい「伊賀米」として、ホテルなどに販売している。
このように廃棄物を資源として再利用し、再び生産・消費のプロセスに戻す一連のシステムは「リサイクルループ」と呼ばれ、農林水産省が認定し広く推奨している。
バイオガス発電も
また、2018年から三重県で先駆けて始めたのがバイオガス発電だ。これも食品リサイクルの一環で、食品廃棄物を発酵させ、発生したメタンガスを燃焼させて発電している。「バイオガス発電は、火力発電に比べて温室効果ガスの発生を削減でき、環境への負荷を最小限に抑えることができる。現在、発電量は年間550万㌔ワット」と話す阪田さん。
26年度からは新たに「系統用蓄電池事業」に取り組む。これは電力需要がピークになった時に、火力発電への依存を減らすため、大容量蓄電池に電気を蓄えておき、必要な時に無駄なく利用するものだという。阪田さんは「電力調整市場への参入により、地域社会に少しでも貢献できれば」と話す。
同社は今後も廃棄食品のリサイクル、クリーンエネルギーの活用など、環境問題に積極的に取り組む他、系統用蓄電池事業などの新しい分野にも挑戦していく方針。「常に新たな環境問題に対応し続けていくための情報収集、人材育成には力を入れている」そうだ。
現在、工場での作業や間接部門において、男女を問わず多様な人材を募集している。従業員の希望に沿ったキャリアの選択や研修制度の他、家族の負担を減らすために工場での昼食補助、複数の選択肢が用意された慰安旅行など、福利厚生制度も充実している。阪田さんは「会社の経営理念を理解し、志のある人であれば、誰でも積極的に応募してほしい」と呼び掛けた。
















