【市議会全員協議会で固定資産税の税率上乗せについて説明する北川市長(中央)=名張市役所で】
三重県名張市は5月28日、市議会全員協議会で、2027年度から固定資産税率を現行の標準税率1・4%に0・3%上乗せし、1・7%へ引き上げる方針を明らかにした。16年度から8年間導入した超過課税「都市振興税」と同じ税率だが、期限は設けず5年ごとに検証を行うとしている。年間約8億2000万円の増収を見込む。
市は、人口減少や少子高齢化の進行に加え、公共施設の老朽化や扶助費の増加などで財政運営が厳しさを増していると説明。これまで行財政改革に取り組んできたが、現状のままでは財政調整基金が2028年度に枯渇する可能性があるとしている。他の税目を含めて検討したが、税収の安定性や制度上の課題などを踏まえ、固定資産税への上乗せが最も現実的と判断したという。
増収分は、財政の安定化に加え、29年9月開始を目指す中学校給食のための施設整備など子育て・教育環境の充実や、公共交通の維持、防災など幅広く活用する方針。北川裕之市長は「安定的な財政基盤をしっかり構築することが必要。市民の暮らしを守り、作っていくという思いで提案した」と述べた。
一方、市議からは、4月の市長選で増税に言及しなかったことを問う声が出た。北川市長は「本来は選挙で述べるのが筋だった。数字など正確な形で出すべきと、今日の発表になった。十分反省している」と述べた。
また、全員協議会後の記者会見では、都市振興税の名称を使わない理由について「新たな事業を次々に展開するフェーズではなく、財政安定化が目的のため」などと説明した。
市は7、8月に市内15地区で住民説明会を開き、9月定例議会に市税条例の改正案を提出する予定。
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