【門前公民館近くで1階部分が押しつぶされた木造住宅(市提供)】

 能登半島地震の被災地に派遣されていた三重県名張市の職員2人が1月22日、北川裕之市長に活動を報告した。避難所運営と被災建築物応急危険度判定の業務にそれぞれあたった。

門前公民館の避難所での物資の仕分け作業(市提供)

 情報政策室の由川晃規さん(54)は、石川県輪島市門前町の門前公民館の避難所で15日から19日まで、届く支援物資の分配やトイレの清掃、入浴支援情報の掲示板への記入、巡回に訪れる医療スタッフとの情報交換などを行った。

 門前公民館には75人ほどが避難していたが、大半は高齢者で、認知症の人もいた。一部、車中泊の人もいたという。

 避難所運営に同市の正規職員を配置する余裕はない様子で、他地区から来た非常勤職員や他県からの応援職員で運営されていた。誰も避難者の顔が分からず、施設の勝手も分からないような状況だったという。

門前公民館の避難所運営にあたる職員の打ち合わせ風景(市提供)

 館内にはエアコンやストーブがあり、1部屋に10人ほどが寝泊まり。避難者が使うダンボール製のベッドや仕切りも届いていた。中には発熱など感染症が疑われる人が10人ほどいて、隔離を行ったという。

 断水しているため、屋外に仮設トイレが設置されたが、段差がある上、温度差で起こるヒートショックが懸念され、高齢者には厳しい状況だった。物資はアルファ米などの炭水化物は足りており、近くの寺院の修行僧らによる炊き出しなどで栄養を補っていたという。

 活動中に別の派遣職員が持参したテレビで避難者と相撲観戦をした際、相手を力強く押す力士の姿に励まされた高齢女性が「引いたらだめ、我らも押していかないと」と前向きな言葉を口にしたことが印象に残ったという。

倒壊した木造住宅(市提供)

 都市計画室の安部哲弘さん(46)は同県穴水町で18日、被災した建物の危険度を判定する業務に従事。町内の判定業務が完了するタイミングだったこともあり、判定件数は7件だった。

 担当した中に、築約5年の比較的新しい物件があった。建物は問題なかったものの地面がひび割れ、周囲の家の塀が倒れ込むなどして敷地内はめちゃくちゃで、要注意(黄)の判定をした。周辺地域では、土砂崩れで死者も出ていた。「この地域、だめでしょうか」と話すこの家の若い住人女性の言葉に胸が痛み、返す言葉がみつからなかったという。

 2人は、名張市で今後取り組むべきこととして、災害時の応援職員の受け入れ体制、避難所の更なる円滑な開設に向けた体制を整備することなどを挙げた。

北川市長に活動を報告する由川さん(左)と安部さん=名張市役所で
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