【北川市長に中間報告書を手渡す細矢議長(左端)ら=名張市役所で】

 三重県名張市議会は12月21日、市立病院経営改革特別委員会で取りまとめた「市立病院の在り方に関する中間報告書」を北川裕之市長に提出した。

名張市立病院=同市百合が丘西1

 市立病院を巡っては、市の諮問機関「市立病院在り方検討委員会」が今年2月、「経営形態を地方独立行政法人とすべき」などと北川市長に答申。市が12月に策定した市立病院経営強化プランでは、来年3月までの内部調査終了後、市の方針を公表すると明記している。

 市議会が提出した中間報告書は、市立病院の経営形態について「経営の自主性・迅速性を最も発揮できる地方独立行政法人への見直しが最適」とした上で、「医師が地方独立行政法人の理事長の任に就くことが必要不可欠」などとしている。

 同特別委員会は、各会派の議員ら6人の委員で構成。これまでに桑名市、香川県坂出市、兵庫県芦屋市の3か所の医療機関を委員会で視察した他、委員が個別に他の医療機関を視察したという。その結果をもとに協議し、中間報告書にまとめた。

 北川市長に中間報告書を手渡した細矢一宏議長は「2人ほど中間報告を作るにあたって参加しないという表明も出たが、特別委員会は各会派から代表で委員を出しており、3分の2以上の議員の意見が統一されたので今回提出させて頂いた。今の段階においては、地方独立行政法人が最適ではないかという結果になった」と述べた。

 受け取った北川市長は「熟慮して頂いて議会としての一定の考えを示して頂いた。市民の声の集約の形であると受け止めている。尊重させて頂きながら最終的な方針決定をしたい。方向性が出たら、何よりも先に市議会の皆さん方に説明させて頂きたい」と述べた。

中間報告書の撤回求め声明 守りよくする会

 市議会が中間報告書を北川市長に提出したことを受け、有志でつくる「名張市立病院を守りよくする会」は21日午後に会見を開き、「市民無視の『中間報告』を撤回し、市民の要求を踏まえた市立病院改革を議論するよう求める」とする声明を発表した。

 同会は、伊賀名張ユニオンなど4団体や市民有志で構成。代表世話人の1人、和田四十八さん(75)は「市民が努力してやっと作った病院。市民に対して何も説明しないままどんどん違う方向に持っていくのは、納得できない」と話した。

声明を発表した「名張市立病院を守りよくする会」の和田さん(中央)ら=同
- Advertisement -