【カベポスターの永見さん(左)と浜田さん(吉本興業提供)】

「余裕出たら地元でライブを」

 淡々とした口調のボケと落ち着いた調子のツッコミが評判を呼んでいる吉本興業のお笑いコンビ「カベポスター」。日本一の若手漫才師を決める大会「M‐1グランプリ」で2年続けて決勝に進み、テレビ番組にもレギュラー出演する、実力と人気を兼ね備えたコンビのボケを担当するのが、三重県名張市出身の永見大吾さん(34)だ。

 元気いっぱいで、カメラを向けられると変顔をするような「ちょけた子ども」だった。典型的なテレビっ子で、テレビに出ることに憧れてもいた。小学4年の時、奈良県生駒市から名張市へ転居。親しい友だちと離れ、新しい友だち作りから始まる新生活に、「多感な年頃もあって、元気がなくなった」そうだ。

 それでも小、中学校では野球に打ち込み、ゲームや音楽、テレビに没頭した。なかでも「お笑い」が好きで、中学3年のころから深夜のバラエティー番組に「はまり始めた」。

 高校生になると視聴者参加型の大喜利バラエティー番組に投稿を始めた。生放送で紹介されるだけでなく、他の人が考えた大喜利より出演者から高評価を得られることもあり、「自分は面白いのでは」と手応えを感じ、「芸人」という職業を意識するようになった。

 その後、三重大学工学部に進学したが「将来、自分はどうする気なんだろう」と自問自答を繰り返す毎日だった。周りが就職活動を始める学年になっても、芸人になるのを諦めていない自分がいたという。

 大学卒業後、吉本興業のタレント養成所「吉本総合芸能学院(NSC)」の大阪校に36期生として飛び込んだ。NSC在籍時は、面白いと思っていることが受け入れられないなど、プライドが傷つき、つらかったこともあったというが、「笑いを共有できるメンバーに出会えたことが大きかった」と振り返る。

 そして2014年5月、同期の浜田順平さん(36)とカベポスターを結成。21年には「上方漫才協会大賞」で新人賞に輝き、翌22年3月に若手漫才師の登竜門「ytv漫才新人賞」で優勝、7月には芸歴10年以内の芸人たちが競う「ABCお笑いグランプリ」で4年連続決勝進出の末、悲願の優勝に輝いた。更に「M‐1グランプリ」では22、23年と2年連続で決勝に進出するなど、関西だけでなく全国的な知名度を高めていった。

 漫才のネタを考えているのは永見さんで、「カベポスターは2人とも勢いがあるタイプではないので、内容や展開で驚かせる」そう。これまでに300本以上作り、スムーズに創作できる時と、何も思いつかず苦しい時があるそうだが、「ネタを広げていく作業は楽しい」という。

 23年にはピン芸人日本一を決める「R‐1グランプリ」に単独で挑戦。進出した決勝では「世界で1人は言っているかもしれない言葉」という永見さん独特のシュールなネタで笑いを誘った。

 このころから、人気テレビ番組「せやねん!」(毎日放送)、「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)でのレギュラーの仕事も増え、「テレビに出ている姿を見せることができて親も喜んでくれているし、安心させることができて僕もうれしい」と笑顔を見せる。

 地元からの応援も受け、「今年こそ、M‐1で優勝したい」と闘志を燃やす永見さん。「もう少し有名になり、気持ちに余裕が出てきたら、ぜひ地元でもライブをやりたい」と夢を語り、「どうか不祥事を起こすまで応援のほど、よろしくお願いします」とメッセージを寄せた。

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