【新しい鉄塔上で送電線の移設を進める作業員=名張市黒田で】

 三重県名張市黒田で、名張川の河川改修に伴う鉄塔の移設工事が行われている。中部電力パワーグリッド(PG)三重支社(津市)は4月20日、送電線の移設作業を公開し、「ラインマン」と呼ばれる専門作業員十数人が地上約50メートルの鉄塔上などで作業にあたった。

 作業員は墜落制止用器具のフルハーネス型安全帯を着用し、鉄塔上の限られた足場でロープを手繰り寄せるなどの高所作業を行った。移設はロープ、ワイヤー、電線の順に引き込む工程で実施。地上と上空の作業員が連携し、滑車なども使いながら慎重に進めた。

既設の鉄塔(奥)と新設の鉄塔(手前)=同

 工事は、国の「名張かわまちづくり一体型浸水対策事業」に伴うもの。川幅を約2倍に広げる「引堤」の計画範囲では既設の鉄塔が川の中に位置するため、約70メートル南側に新たな鉄塔を設け、送電ルートを変える計画だ。

 新しい鉄塔は昨年1月に建てられたもので、電線の移設を経て4月中には約7万7000ボルトの送電を開始する。この送電ルートは同市西部の電力供給を担っている。

 三重支社の担当者によると、ラインマンは委託先企業の作業員で、全国各地で鉄塔の建設や保守に従事している。近年は設備の更新需要が高まる一方、担い手不足が課題となっている。中部電力PGは送配電事業への関心を高めようと、鉄塔を題材にしたカード制作やラインマンの仕事を紹介する専用サイトなどでの情報発信にも取り組んでいる。

三重県の「鉄塔カード」(左)とラインマンのキャラクターグッズを手にする三重支社の社員=同
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