【作品を手にする枩森さん】

 「作業している時は『無』になれる。良い香りに包まれた癒やしの時間」。三重県伊賀市島ヶ原の美容室勤務、枩森由江さん(50)が趣味で制作しているのは、杉やヒノキに絵柄や文字を焦がして付けるウッドバーニング(焼き板)だ。

 5年ほど前、ウッドバーニングで名前を入れた木のスプーンを目にし、「これなら自分でも作れるかも」と思い立ち、始めてみることにした。電熱ペンや木板はホームセンターや販売会で購入する他、材木店から板をもらうこともある。

 絵柄の題材は、インド神話に登場する象の神「ガネーシャ」、長女と次女の着物姿、今年の干支「辰」などさまざまで、下絵を板に写して電熱ペンで焦がし、透明ニスを塗って仕上げる。線の太さや焦がし方の濃淡をつけるため、2種類のペンと10種類のペン先を用途によって使い分けるそうだ。

 開店祝いのプレート、結婚記念のウェルカムボード、玄関の飾りなど用途も幅広く、最近では市内のカフェから依頼され看板を作った。屋外に置いても色が退化しないよう、長持ちする塗装はこれから研究していきたいといい、「作って喜んでもらえると『誰かのためになる』と感じて更にモチベーションが上がる。今後も楽しみながら続けたい」と語った。

 枩森さんはインスタグラム(@yoo713yuu)でも作品を紹介している。

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