【出発式の後、啓発物品を配る坪井さん(左)=伊賀市上野丸之内で】

 年末の警戒と交通安全県民運動の合同出動式が12月1日、三重県伊賀市の旧市役所駐車場であった。一日警察署長にはサッカー元日本代表の坪井慶介さん(44)が委嘱され、約200人の参加者に交通事故や特殊詐欺被害の防止を訴えた。実施期間は年末の交通安全県民運動が12月10日まで。年末警戒は11日から大みそかまで。

 坪井さんは東京都多摩市の出身で、高校はサッカー強豪校の四日市中央工に進学。18年間のプロ生活では、ディフェンダ―としてJクラブの浦和レッドダイヤモンズなどでプレーし、2006年のドイツW杯にも出場した。19年に引退した後は、タレントとして活動している。

 一日署長就任のきっかけは四中工で一緒に公式戦にも出場したことがある、2年後輩で同署生活安全課の三上耕太郎警部補(42)からの依頼だった。伊賀署で南幸輝署長から委嘱状を受け取ると、「三重では3年間お世話になり、育ててもらった。一日署長に任命され、身の引き締まる思い。後輩がつないでくれた縁で一日署長をする機会を頂いたことに感謝している」と話した。

 出動式のあいさつでは「良い準備をして危機を察知、回避するかを考えることが交通安全に、声を掛け合うなど良いコミュニケーションを取って常に情報交換をすれば特殊詐欺などの防犯につながると思っている」とサッカーでの経験を交えて話し、参加者を激励。なでしこリーグ1部に所属する地元クラブ「伊賀FCくノ一三重」の秦美結主将とメッセージ入り記念ボールでパス交換するセレモニーもあった。

 同署によると、今年1月から11月末までに管内で発生した交通事故は、総件数2370件(前年同期比236件増)、うち人身事故133件(同41件増)、死者2人(3人減)、負傷者159人(51人増)。特殊詐欺の被害は架空請求詐欺が大半を占めており、今年は10月末までに5件(同2件増)の発生を認知。被害総額は3710万円(同3550万円増)に上っている。

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