【駅の利用者に啓発物品のセットを手渡す伊藤選手=名張市平尾で】

 来年のパリ五輪出場を目指す陸上(三段跳び・走り幅跳び)の伊藤陸選手(22)=三重県名張市=が11月30日、名張署の一日警察署長を務め、年末を前に安全運転などを呼び掛けた。

 菰野町出身の伊藤選手は、近畿大学工業高等専門学校(春日丘7)に入学後、本格的に跳躍競技に取り組み始めた。三段跳びでは、2021年の日本インカレで出した17メートル00の日本歴代3位記録の自己ベストを保持。高専を卒業後、今春からスズキアスリートクラブに所属している。

 この日、マツヤマSSKアリーナ(夏見)で開かれた「年末警戒」と「年末の交通安全県民運動」(12月1日から10日)の合同出動式で、今村悟署長から委嘱状を受け取った。警察車両や青パトなどの出動を見守った後、近鉄名張駅(平尾)東口前で交通安全や特殊詐欺被害防止の啓発物品のセットを駅利用者に配布した。

 伊藤選手は昨年、運転中に車同士の交通事故に遭ったが、幸いけがはなかったという。「事故は、相手も自分もその後の人生に影響する。日頃から慎重に運転し、事故に十分気を付けてほしい」と交通安全への思いを語っていた。

 同署によると、2023年中に管内で発生した交通事故は11月29日現在、総件数1866件(前年同期比85件増)、うち人身事故67件(同13件減)、死者2人(1人増)、物件事故1799件(98件増)。

パリダカ優勝パジェロも展示

 合同出動式の会場では、同市八幡の自動車部品メーカー「ボルグワーナー・モールスシステムズ・ジャパン」などの協力により、1992年のパリ・ダカール・ラリーで優勝した「三菱パジェロプロトタイプ」が展示され、交通安全啓発に活用された。

展示された「三菱パジェロプロトタイプ」の前で参加者に向けて敬礼する伊藤選手(中央)ら=同
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