【大会で課題に取り組む水谷さん(本人提供)】

 三重県名張市梅が丘北4の建築会社経営、水谷秀明さん(34)は、36歳以下の若手大工が技術を競う「第37回全国青年技能競技大会」(全国建設労働組合総連合主催)で銀メダルを獲得した。

大会での賞状やメダルを見せる水谷さん

 5歳くらいの時、仏壇の彫師だった母方の祖父に憧れ、職人を志すようになった。上野工高インテリア科で家具作りなどを学び、卒業後は伊賀市内の工務店に弟子入り。日本の伝統的な木造家屋の建築現場で経験を積んだ。独立後、28歳の時に大工の先輩からの勧めで技能大会に挑戦するようになった。

家づくりの基礎

 大会の競技課題は、高さ約60センチの四脚の踏み台「四方転び踏み台」。図面作成から部材加工、組み立てといった作業を、くぎを使わず、のみやかんなを使って6時間以内に完成させる。図面の正確さや接合部分の精密さなど、0・5ミリの世界での厳しい審査がある。踏み台を作り上げる過程には、家づくりの基礎となる技術が詰まっているという。

 初の県予選出場時は「時間内に形にするのがやっとだった」と振り返る。その後も大会への出場を続け、普段の仕事後に数時間の練習に励む日々を5年間継続し、先輩の指導も受けながら技術を磨いてきた。

 昨年9月、松江市で開かれた全国大会に県代表3人の一人として出場。502満点中442・5点の好成績を残して出場45人中3位となり、2、3位に贈られる銀賞を獲得した。「精度を突き詰める気持ちが大切な競技で、銀賞は本当にうれしかった。この姿勢を日々の仕事に生かしていきたい」と語った。

2022年4月23日付818号3面から

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