【「我慢じゃ高吉!」を手にする摂津さん=名張市で】
摂津守さんが執筆
名張藤堂家の祖で、江戸初期の武将・藤堂高吉(1579-1670)の波乱の生涯を描いた歴史小説「我慢じゃ高吉!」を、兵庫県尼崎市の摂津守(本名・平井直)さん(72)が執筆し、三重大学出版会から刊行した。
高吉は、織田信長の重臣・丹羽長秀の三男。幼少期に羽柴(豊臣)秀吉の弟・秀長の養子となったが、秀長の後継者がおいの秀保になったため、家臣の藤堂高虎の養子となった。一時は今治城主も務めたが、高虎に実子が誕生したことで跡継ぎとはならず、名張に領地を与えられ、まちの礎を築いた。
作品では、天下人の弟の後継者から家臣へと立場が変わる数奇な運命の中で、忍従を重ねた高吉の姿を描く。摂津さんは「悲劇的な人生だが、武勇にも優れ、秀長や高虎の薫陶を受けた人物」と評価し、「名張の地で何とかしようという気概があったはず」と語る。
執筆に当たっては、名張や今治などゆかりの地を訪ね、関係者や郷土史研究者への取材を重ねた。史料の乏しい部分には創作も交え、高虎の正室と側室の対立など人間模様を描き出している。
摂津さんは2024年に高虎の生涯を描いた「真説 蔦は枯れず」、25年に家臣・藤堂新七郎良勝を主人公とした「新七郎」を出版。本作で「藤堂高虎三部作」が完結した。「構想から8年。今はほっとしている」と話している。
A5判391ページで、2500円(税込)。5月23日には三重県名張市のブックスアルデ名張本店で午前10時30分から、伊賀市の岡森書店白鳳店で午後2時から、サイン会などを開く。
- 広告 -















