【自身の作品を紹介する東さん=伊賀市上野車坂町で】

上野車坂町 東俊一さん(92)

 中学生のころから手塚治虫さんの漫画が大好きで、自宅の本棚は漫画本でびっしりと埋め尽くされている。少年時代の気持ちは社会人になっても変わらず、京都でサイン会があった時には休暇を取って手塚さんに会いに行くほどだった。

 絵を描くのも好きで、会社勤めをしていた40代のころ、絵画の公募展に仲間と挑戦し、地元で「上野美術クラブ」を立ち上げた。当時のメンバーで、二紀会会員の中野英一さんにアドバイスを受けながら、自分なりに思い描く世界を抽象画で表現していった。

 宇宙やSFなど、神秘的なイメージや青色がトレードマーク。代表作「連鎖のゆくえ014‐09(漏洩)」(油彩、F200号)は自身がテーマとする「汚染シリーズ」の一つで、巨大タンクから汚染水が漏れ出す怖さと不安を半年かけて描いたものだ。

 仲間に誘われて参加した美術家団体「美術文化協会」には現在も会員として在籍しており、毎年公募展への出品を重ねて腕を磨いてきた。伊賀市美術展は無鑑査で、2003年には上野芸術文化協会の「上野市文化功労賞」も受賞している。

 「おかげさまで、これまで大病をしたことは無い」といい、「油絵は一生の糧として楽しくやっていく。これからも仲間同志で高め合いながら、出来る限り続けたい」と語った。

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