【バーチャルマップのイメージを示す松本さん】

 「コロナ禍で梅を見に来られない人にも、今の月ヶ瀬、いつもと違う月ヶ瀬を感じてほしい」―。梅林に代表される奈良市月ヶ瀬地区の名所・旧跡・見どころなど約60か所の情報を盛り込んだ「月ヶ瀬バーチャルマップ」が2月13日にウェブ公開される。スマートフォンなどで観光・散策を疑似体験でき、年配層や子育て世代を中心に活用が期待されている。

 観光協会や梅渓保勝会、行政担当者、住民有志らで発足した団体「月ヶ瀬ツーリズム協議会」が企画。利用者のアバター(分身)がマップ上を移動し、梅林内の眺望スポットや寺社仏閣、温泉、各観光施設などを巡ることができる。将来的にはマップ上で撮影ツアーや、バリアフリーに配慮されているスポットを巡るツアーなども検討中だという。

 同協議会がこのマップの制作を依頼したデジタルコンテンツ企画・制作会社「トンガルマン」(大阪市)とは、既に観光協会のウェブサイトの制作・管理で縁があった。これまでに観光パンフレットや紙の地図などはいくつもあったが、「月ヶ瀬のことを全部入れた地図ができないか」という声を発端に、昨夏からマップ作りが始まった。

団らんのツールにも

 「今まで知らなかった月ヶ瀬がここにある」。そんな思いを込めてマップの実現に情熱を注いできたのは、同協議会の発起人で、若手住民有志のグループ「月ヶ瀬みらい」会長の松本直之さん(38)。「老若男女それぞれに『懐かしい』『行ってみたい』といった印象を抱いてもらえると思う。観光の下見や家族団らんのツールとして役立ててもらい、月ヶ瀬のことをより深く知ってほしい」と語った。

 マップは月ヶ瀬観光協会のウェブサイト(https://tsukigase-kanko.or.jp/)から無料で利用できる。

2022年2月12日付813号15面から

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