【節句盛が並ぶ厨子の前で数え歌を歌う住民ら=伊賀市島ヶ原で】

 三重県伊賀市島ヶ原の観菩提寺(菅生和光住職)正月堂で2月11日、春を呼ぶ行事として知られる「修正会」の「大餅会式」が行われ、行事に関わる7つの講の講員らが、円柱状の大きな餅や、シュロと稲わらで作った「鬼頭」、桜の枝に餅を付けた「成り花」などの供物(節句盛)を堂内へ奉納した。

鬼頭や五枝の松などを手に正月堂へ入る「中矢方」の講員ら=同

 県の無形民俗文化財でもある同行事は、1200年以上続くと伝わる島ヶ原地域の伝統行事。毎年2月11日の大餅会式では本来、準備した供物を手に地域を練り歩いた住民らが、「エトー」という掛け声とともに勇壮に練り込み、本尊・十一面観音菩薩像の厨子前に供物を並べ、堂内が熱気に包まれるが、新型コロナの影響で2年続けて練り込みは大々的に行わず、恒例の餅まきも中止になっていた。

 昨年と今年は大餅会式の参加者を減らし、頭屋(講の代表)らが供物を持ち込んで講ごとに数え歌を歌って終わる程度にとどめており、今年も午後1時ごろから、「子供節句之頭やぶっちゃ」、中矢方、元頭村、聖風講、蜜の木講、白黄会、西方が順に供物を奉納した。12日には結願法要の「おこない」を予定している。

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