【ちまき作りに取り組む受講者ら=名張市下比奈知で】
旧暦の端午の節句が近づいた6月16日、三重県名張市下比奈知の比奈知市民センターで開講されている歴史民俗講座の一環で「ちまき作り」があった。受講者ら約15人は、地元の有志グループ「土の会」のメンバーが1週間前から用意していたススキ(カヤ)やササなどを使い、初夏の風物詩を丁寧に手作りした。
月1回ほど開かれている同講座は、地元の歴史や生活文化などに詳しい講師を招き、講演や体験などで見識を深めるもので、ちまき作りは初開催。2001年に発足した同グループでは、こんにゃくや餅、おかきなどを手作りしたり、「名張桜まつり」や「隠街道市」に出店したりしてきたが、近年は新型コロナの影響や高齢化などで活動機会が少なくなっているという。

餅に使うもち米とうるち米はあらかじめ粉にしておく。ススキは市内、ササは奈良県内で集めてきたものを、葉が丸まったりしおれたりしないよう保管し、ちまきに使い終わった後も、畑で有効利用するそうだ。ササの葉でくるんだ餅をススキの葉で巻き、10束ほどにまとめて鍋で20分ほどゆでると、ほのかにササとススキの香りをまとったちまきが出来上がった。
完成したちまきは、受講者と同グループのメンバーが黄な粉と砂糖で試食した。受講者の女性は「この時期にササやススキが伸びてくるのを見ると『ああ、ちまきの季節だな』と思う。良い香りがしておいしい」と笑顔で話していた。
「早苗が並んだ田を見るのが好き」という同グループ代表の西口英子さん(79)は「できるだけ自然のもの、手作りのものを食べてもらいたいという思いがある。食べ物は時間や手間をかけて作られるということを実感してもらえたら」と語った。
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