【名張市のふるさと納税サイトの返礼品ランキング上位に並ぶユニ・チャーム製品】

返礼品戦略の転換急務

 ユニ・チャーム三重工場(三重県名張市東田原)の撤退は、市のふるさと納税に大きな影響を及ぼす可能性がある。

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 市によると、2025年度の寄付額約7億円のうち、約5億円分を同社製の返礼品が支えていた。北川裕之市長はYOUの取材に「世界的な企業なので、経営戦略の変更はやむを得ないが、返礼品の多くを占めているので財源的に影響が出る。新たな協力企業を増やし、カバーしていかなければならない。ピンチをチャンスに捉え、地元の農産物や工芸品などを伸ばしていく方向に切り替えていく」と話した。

 市のふるさと納税寄付額は、19年度の約1億9000万円から、24年度には約6億4000万円に増加した。原動力となってきたのが、ペットのトイレ用シートなどのユニ・チャーム製品だ。

 ふるさと納税の返礼品は、自治体区域内で製造・加工されるなど、一定の基準を満たす必要がある。このため、同工場の撤退後は現在の主力製品を返礼品として継続することができなくなる。撤退後の市の財源への影響は、経費などを差し引いた約2億5000万円規模になるとみられる。

 更に総務省は、26年10月から、返礼品の付加価値算定方法を価格ベースへ原則一本化し、事業者に算定根拠などの提出・公表を求める制度改正を予定している。

新たな品掘り起こしへ

 こうした見直しにより、企業側が原価構造などの情報開示を懸念し、返礼品事業への参加を見送る可能性も指摘されている。

 市は、工業製品を中心とする構造からの転換を進める方針だ。市の担当者は「工業製品による寄付の積み上げには限界がある。精肉や米などの農畜産物に加え、ハンバーグなど加工食品の充実も検討している」と話す。近年は高級品を求める「ご褒美型」から、日常生活に役立つ実用品や食品を選ぶ傾向が強まっているといい、実用性の高い地場産品の掘り起こしも急ぐ考えだ。

 寄付額の約7割を支える主力返礼品を失う日が近づく中、市の返礼品戦略は大きな転換点を迎えそうだ。

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