【名張市立病院=同市百合が丘西1】

 三重県名張市の北川裕之市長は1月12日、市議会全員協議会で、市立病院(百合が丘西1)を地方独立行政法人化する方針を表明した。経営改善などが狙いで、2025年10月の法人設立を目指す。

名張市立病院の地方独立行政法人化を表明する北川市長=同市役所で

 北川市長は「市民の命と健康を守るため、より強固な経営基盤を確立し、持続的かつ安定的に地域医療を提供し続けるため」と理由を説明した。

 市立病院は1997年に開院し、病床数は200。現在は市が運営主体(地方公営企業法一部適用)となっている。市の一般会計からの繰入金は、毎年10億円以上に上っている。

 有識者らでつくる「市立病院在り方検討委員会」は昨年2月に経営形態を「地方独立行政法人とすべき」と答申。市は実際に独法化した病院や、地方公営企業法の適用を「全部」として事業管理者を置く経営形態の病院など計9か所を視察し、財政シミュレーションなど検討を進めてきた。その結果、市は独立行政法人が「優れている」と評価、財政上も「支障ない」と判断した。

 設立する法人の名称は「地方独立行政法人名張市立病院」で、職員の身分は公務員ではなくなる。近くの市立看護専門学校は、付属施設とする方向で検討を進める。

 独法化に向け、2月に桑名市総合医療センター理事長の竹田寛さんを非常勤顧問に、4月に同センター病院長の登内仁さんを常勤顧問にそれぞれ起用し、組織や診療体制の構築を進める。法人設立時には登内さんを理事長に任命する方針。

 3月定例議会で市は、法人を設立するための定款議案や評価委員会の設置条例を提出する予定。4月1日付の人事異動では、市立病院事務局に法人設立準備チームを設置し、許認可手続きなどを進める。

 この日の全員協議会では、市の説明に対し日本共産党会派など一部の議員から「なるほどと思える説明がない」「市民不在での独法化だ」といった声も上がった。


2月下旬に市民説明会 5会場で

 経営形態の見直し決定について、市は2月下旬に市内5会場で市民説明会を開く。北川市長や病院事務局の担当者らが出席し、各回1時間30分の予定。日時と場所は次の通り。
 
▼2月22日午後2時から 市子どもセンター(百合が丘西5)
▼22日午後5時30分から 市防災センター(鴻之台1)
▼24日午前10時から 桔梗が丘市民センター(桔梗が丘6番町)
▼24日午後2時から 美旗市民センター(美旗町南西原)
▼27日午後2時から 名張市民センター(上八町)

【関連記事】名張市立病院、独法化が「最適」 市議会が市長に報告書を提出(https://www.iga-younet.co.jp/2023/12/21/85216/)

【関連記事】名張市立病院の経営形態「独立行政法人とすべき」 検討委が市長に答申(https://www.iga-younet.co.jp/2023/02/13/70796/)

- Advertisement -