【名張市立病院=同市百合が丘西1】

 三重県の名張市立病院(百合が丘西1)について、有識者らでつくる市の諮問機関「名張市立病院在り方検討委員会」(竹田寛委員長)は2月13日、「経営形態を地方独立行政法人とすべき」と北川裕之市長に答申した。市は今後、事例調査や検討を進める。

 検討委は昨年1月に発足し、有識者や住民代表、市の幹部ら7委員の他、県から2人がオブザーバーとして参加。今年1月までに7回の会議を開いて市立病院が果たす役割や適切な経営形態などを話し合い、答申書にまとめた。

 答申書では地方独立行政法人化について、「市長が任命する法人理事長の下、公共性を維持しつつ自律的・弾力的な経営が可能」「職員の身分は非公務員となるものの、職員定数や給与は法人が独自に定めることが可能」となるとし、「経営の自主性・迅速性」「職員の意識改革」の他、「医師の確保」の面でも改善が期待できるとしている。

 答申書を手渡した竹田委員長は「地方独立行政法人になっても、あくまでも公立病院。違う所は、理事長の裁量で色んなことができるようになること」と強調。北川市長は「答申を受け、市としての考え方を検討し、市民に示したい」と述べた。現時点で具体的なスケジュールは示さなかった。

 また、答申書では市立病院の産婦人科設置について、「新たに体制を確保する必要性は低い」としている。北川市長は「選挙時の公約であり、『産み育てるにやさしいまち』に向けて設置は大きな目標だが、出生数などを含め条件を考えるとなかなか厳しいところもある。頂いた意見を含め、十分に検討していきたい」と話した。

北川市長(左)に答申書を手渡す竹田委員長=名張市役所で
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