【謝辞を述べる卒業・修了生総代の松繁さん=名張市春日丘7の近大高専で】

 三重県名張市春日丘7番町の近畿大学工業高等専門学校(齊藤公博校長)で3月18日、卒業・修了証書授与式が行われた。長引く新型コロナの影響で、保護者も出席しての式は4年ぶりとなり、総合システム工学科4コースと専攻科の計183人が新たな門出への決意を胸に刻んだ。

 この日午前10時から同高専体育館で行われた式では、拍手に迎えられて卒業・修了生が入場。機械システム、電気電子、制御情報、都市環境の各コースと専攻科の代表が順に登壇して証書を受け取り、続いて成績優秀者や地域貢献が顕著だった学生らへの表彰も行われた。

退場する卒業生たち

 卒業・修了生を代表して謝辞を述べた松繁ふう菜さんは「3年前、対面授業ができなくなり、不安にさいなまれながら過ごした日々は一生忘れない。同時に、仲間や先生方、親のありがたみを実感し、人と人とのつながりが一番大切だと深く学ぶことができた」と振り返った。最後に「それぞれの人生に幸せがたくさん訪れること、笑顔の花が咲き誇ること、選んだ道の先にすてきな出会いが待っていることを願わずにはいられない。近大高専で培った巨大なエンジンの力で大きく自分らしく羽ばたいていきたい」と思いを述べた。

齊藤校長から賞状を受け取る卒業生

 齊藤校長は卒業・修了生へ「コロナ禍で、生き生きとした学生生活、という点では損をしたかもしれないが、命と健康の大切さや社会の動きを身をもって実感できたと思う。これからも社会全体を皆さん自身のものとして捉え、意志を持って行動してほしい。オンライン環境の急速な発展と普及は働き方や学習の環境を大きく変えてきたが、これはまさに皆さんが学んできた工学の素晴らしさ。ピンチをチャンスに変えることができると証明できたはず」と言葉を贈った。

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