玉乗りなど数々のパフォーマンスでテレビや新聞にも取り上げられてきたトイプードルの「リク」(雄)がこのほど、14才で天寿を全うした。飼い主の鮫島富久代さん(三重県名張市丸之内)は「ありがとう、家族になってくれて」と愛犬をしのんでいる。
リクは2008年1月23日生まれ。犬のパフォーマンスコンテスト「芸‐わん!グランプリ2013」でチャンピオンに輝き、17年に鮫島さんと挑戦した縄跳びでは122回跳び、驚くような記録や成果をたたえる市の「あれっこわい認定」に選ばれるなど、多彩な芸で数々のテレビ番組に出演、全国紙にも紹介された。
次男の俊介さんから譲り受け、ここまで「芸達者」に育てたのが鮫島さんだった。賢く、何でもすぐマスターした。「食べることが大好きで、餌のために頑張っていた」と懐かしむ。「リクは何ができるかな」と考える楽しい毎日だったという。
楽しい毎日に感謝 別れ惜しむ
今年5月から、弱っていた脚の震えが気になるようになり、夏になると、あれほど好きだった餌を完食しなくなった。9月には入退院を繰り返し、体重が激減、10月上旬には短い散歩もできなくなった。18日には動かなくなり、翌日はリクに寄り添った。日付が変わった20日午前0時半、静かに息を引き取った。子どもたちや孫も自宅に来たり、オンラインでつないだりと、皆で別れを惜しんだという。
以来、パタッと音がすると一瞬「リク?」と思ってしまい、その後、「もういないんだ」と現実が襲う。それだけリク中心の生活だった。ドッグトレーナーとして活動し、自宅にドッグランも開設するなど、リクは鮫島さんの生活も一変させた。
春と秋に無料開放してきたドッグランは、リクがいない11月にも開放予定で、詳細はインスタグラムとフェイスブックの「にんじゃりわんわん」で発信するそうだ。
2022年11月5日付831号27面から