【試合でプレーする長谷部選手(神奈川フューチャードリームス提供)】

 プロ野球の独立リーグ「ルートインBCリーグ」神奈川フューチャードリームスに所属する三重県名張市出身の長谷部大器選手(25)。昨年は四国アイランドリーグplusで大記録を残し、NPB(日本プロ野球機構)入りを目指して移籍した現チームでは、本来の遊撃手として存在感を発揮。堅実な守備と打撃に更に磨きをかけ、「今年こそは」の思いで10月20日のNPBドラフト会議を迎える。

 父健一さん(51)、兄球太さん(26)の影響で幼少時から野球に親しみ、名張少年野球団、津ボーイズでは主将も務めた。強豪私学の鹿児島実業高では3年時に全国高校野球選手権に出場し、華麗なグラブさばきなど印象に残るプレーを披露。愛知大では早々に遊撃手のレギュラーに定着し、3年時には打率4割超をマークした。

試合でプレーする長谷部選手(神奈川フューチャードリームス提供)

 大学1年の時、社会人・トヨタ自動車との練習試合で見た、同じ遊撃手の源田壮亮選手(29=現・埼玉西武)のプレーが、プロを目指すきっかけになった。「この人のようなプレーがしたい。そして、いつか追い越せる選手になりたい」。大学での4年間は「自分の足りないところを磨き、プロ入りのために費やしてきた」と振り返る。

昨季は四国で大記録

 四国リーグのドラフトで高知ファイティングドッグスから指名を受け入団。2020年シーズンから遊撃手、一塁手として堅守を見せ、2年目にはリーグ歴代最高打率(3割8分6厘)を記録。「体のケアやトレーニングなども生活に採り入れ、しっかり練習に打ち込めた」ことも一因だという。

 「遊撃手として一から評価され、勝負できる環境」を求めて移った神奈川では、シーズン前半は思うような成績を残せなかったが、5割超の打率を記録した7月以降は逆のレフト方向への安打も量産。62試合中48試合に出場し、打率はチーム2位の2割9分9厘、154打数46安打をマークした。スカウト陣も顔をそろえる、NPB2軍チームと対戦するBCリーグ選抜のメンバーにも名を連ねた(試合は雨天中止)。

 長谷部選手が小学生のころから可能な限り試合を観戦し、近年も四国、関東へ足を運ぶ健一さんは「今年は全て本来の遊撃手で出場でき、攻守ともに充実したシーズンだったと思う。家族の夢だったNPBでプレーする姿が見てみたい」と期待を込めて話した。

 名張少年野球団の中野健太監督(42)も「卒団生から甲子園出場、という夢をかなえてくれ、コロナ禍で自身も大変な中、子どもたちのために力を貸してもらった。今度は卒団生3人目のプロ野球選手、という夢を実現してほしい」とエールを贈っている。

 記録を残して臨んだものの指名されなかった昨年の悔しさを胸に秘めつつ、NPB入りへの強い思いに変わりはない。少年時代からずっと応援してくれている地元の人たちの声は大きな力になっているといい、「自分のプレーを見て、憧れたりまねされたりするような選手になりたい」と展望を話した。

2022年10月8日付829号3面から

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