【準備を進める(左から)吉輪さん、中野さん、森永さん、伊達さん】

 三重県伊賀市内で活動する「民謡やよい会」の3年ぶりとなる発表大会が、6月5日に同市西明寺の市文化会館で開かれる。節目の30周年を迎えた矢先のコロナ禍で、2年続けて開催がかなわなかったが、久しぶりの舞台を控え会員らの気持ちも高まっている。

 この2年余りは地域のイベントや老人クラブの行事もほとんど無く、福祉施設などへの慰問活動も行えない状況が続いた。2020年の発表大会は無観客で開いたが、21年は中止にとなり、普段の稽古の成果を披露できる場が無かったという。

 そんな中でも「唄だけでなく踊りをやってみたり、衣装や小道具を自作したりするなど、それぞれが新しいこと、楽しい仕掛けを考え、前向きに取り組んできてくれた」と会主の中野弥生さん(75)は振り返る。市内で開く6教室の指導には、3年ほど前から会長の森永弘昌さん(82)、役員の伊達克基さん(80)、吉輪康一さん(67)の尺八奏者3人が加わり、運営を支えている。

 今回は、伊賀上野音頭、伊勢音頭、秋田船方節、安来節など日本各地の民謡40曲を披露する予定で、出演者は総勢約50人。三味線、尺八、太鼓の伴奏、「鳳扇流扇友会」「松栄会」による踊りも加わる。

 「長らく支えて頂いた前会長の曽我岱位山さん(尺八奏者)を始め、たくさんの方々の力で今がある」と振り返る中野さんらは「同じ趣味で集まる皆と顔を合わせ、腹から声を出すことが何より力の源。平和な中だからこそ発表大会を開けることに感謝したい」と期待を込めて話した。

 発表大会は午後1時開演。入場無料。

 問い合わせは中野さん(0595・23・7617)まで。

2022年5月14日付819号11面から

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