大雨による土砂災害に備え、三重県伊賀市の地すべり防止区域にある府中地区で4月26日、伊賀署や県市など防災関係機関による実地踏査があった。
合同実地踏査は毎年この時期に実施しており、今年は同市東条の山中に県が5基設置した民家から約50メートルの堰堤(えんてい)を確認した。伊賀農林事務所によると、流れ込みやすい土砂を堰堤の背後にためることで、背後の山で地すべりを起こすのを抑える役割をしているという。
この付近では、昭和28(1953)年8月の豪雨で大規模な地すべりが発生し、農地や家屋、鉄道施設に甚大な被害が出た。県はこの災害をきっかけに府中地区の坂之下と外山、東条、西条、土橋、山神、三田地区にある大谷の7地区を防止区域(広さは約429万平方メートル)に指定。対策事業を進めてきた。
地すべり防止区域では、毎年7月に地元の「府中地すべり防止対策事業委員会」(中林弘之委員長)が中心となって一斉避難訓練を実施している。伊賀署の井澤勝巳署長は「これから梅雨や台風による出水が心配な時期になる。実地踏査で災害危険個所を確認することができた。有事の際は県や市など関係機関と連携を図りたい」と話した。
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