伊賀市役所

【伊賀市役所=同市四十九町】

稲森市長「最大限誠意ある対応指示」

 伊賀市営住宅河合団地(三重県伊賀市田中)の駐車場使用料を規定する条例がないのに入居者から違法に徴収していた問題の対応で、同市が現入居者15人と既に退去した6人の計21人に対し消滅時効が発生しない最大5年分を遡って返還するため、関連経費約168万円を6月の補正予算に盛り込んでいる。しかし、他の自治体であった同様のケースでは異なる根拠法令の解釈や判断で対応しており、伊賀市の返還対応とは大きな差異が生じている。

 同団地は2005年と09年に建てられた2棟計18戸で、市は1戸に駐車場1区画の使用を許可し、月額2千円を徴収していた。市営住宅で唯一制定している松尾団地(同柏尾)の駐車場条例を参考に20年以上管理していたとみられる。

 同様の不適正な徴収があったのは島根県立男女共同参画センターで、「ホワイエ」(ホールのロビー部分)の使用料などが未設定だったが、指定管理者が別施設の使用料を適用し徴収していた。問題の発覚後、同県は「民法上の不当利得」と捉え、10年の時効を適用。県の判断で書類が残る2013年から2025年までを調査し、返金している。

「判例存在せず」

 伊賀市の返還金に対する法解釈や判断は「駐車場条例がないので、法律上は行政財産の目的外使用の使用許可に当たる。公の施設の使用許可や使用料の法的性質について示した最高裁の判決に基づき、『公法上の債務』と判断した。時効の適用はあくまで解釈。判例が存在しない」と説明する。一方、島根県のように私法上の債務と解釈もできるとした上で、「自治体で判断が違う」と答えた。

 稲森稔尚市長はYOUの取材に「最大限誠意ある対応をしなければならないという考え方の下、何ができるか検討を指示し、最終的にこのような結論に至った」と答えた。河合団地に入居する40代女性は「可能であるなら10年分を返金してほしい」と話した。

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