【競合店のすぐそばで進むコスモスの新店建設工事=伊賀市服部町で】
三重県伊賀地域では近年、ドラッグストア各社による激しい出店競争が続いている。人口減少が進む中でも新規出店は相次ぎ、「令和伊賀の乱」とも言える状況となっている。
伊賀・名張両市の人口は計約15万人。人口減少と高齢化が進む地方商圏でありながら、両市内のドラッグストアチェーン店は30店舗を超えており、大手各社による出店競争が続いている。各社は医薬品だけでなく、食品や日用品を含めた品ぞろえを強化し、地域の買い物需要の取り込みを競っている。
特に顕著なのが、福岡市に本社を置くドラッグストアコスモスの連続出店だ。5月16日に伊賀市四十九町のホームセンター跡地で市内2店舗目となる四十九店を開業したのに続き、同市服部町でも伊賀上野店の建設工事が進んでいる。同社は既に名張市内で3店舗を展開しており、伊賀市内でも店舗拡大を進める。
伊賀地域では現在、スギ薬局、キリン堂、クスリのアオキ、ドラッグセイムス、サンドラッグ、ココカラファインなど各社も出店しており、特に伊賀市の名阪国道上野東インター周辺では競争が集中している。一方、業界大手のウエルシア薬局やツルハドラッグは未出店で、伊賀地域は独立した商圏としての色合いも強い。

業界では再編の動きも進む。昨年12月にはウエルシアHDとツルハHDが経営統合。全国的に業界再編と出店競争が同時進行する中、伊賀地域でも各社の動向に関心が集まっている。
進むスーパー化
一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の「2024年度版 日本のドラッグストア実態調査」によると、全国のドラッグストア店舗数は2万3723店舗で、前年比682店舗増。推定売上高は10兆307億円となり、初めて10兆円を突破した。
特に伸びが大きいのが食品分野だ。調査では「フーズ・その他」の売上高は2兆8329億円で前年比13・2%増となり、売上構成比でも28・2%を占めた。
近年は生鮮食品を扱う店舗も増え、ドラッグストアが食品スーパーに近い役割を担う場面も目立つようになった。伊賀地域でも、仕事帰りに食材や日用品をまとめ買いする利用客の姿が見られ、ドラッグストアが日常の買い物拠点として存在感を強めている。
伊賀市の70代パート従業員女性は「以前はアオキによく行っていたが、最近はポイント還元の良いセイムスを利用することが増えた。新しい店ができても他の店に行く気にはなれない」と話す。名張市の40代団体職員男性は「子どもの習い事の近くにあるスギ薬局に行っていて、それで十分。ドラッグストアもスーパーも、もういらない」と話した。サービスで店を選ぶ消費者がいる一方、固定した生活動線から動かない人もいるようだ。
一方、名張市内の食品スーパーに勤務する40代男性従業員は「生鮮食品はスーパーの強味だが、ドラッグストアの冷凍食品や加工食品は価格が安く、脅威だ」と競争激化への実感を語った。
















