【あやま文化センター(上)と道の駅あやま=伊賀市川合】

 三重県伊賀市議会の総務常任委員会(百上真奈委員長)が3月7日開かれ、道の駅あやま、あやま文化センター(いずれも同市川合)周辺の公共施設・敷地を一体的に活用する公募型プロポーザルに関連する議案などを審議した。プロポーザルに応募し既に仮契約を終えている事業者に一部施設を無償譲渡し、減額貸付を行うなどの3議案は賛成少数となった。

 2月定例月会議に上程されている関連議案は、旧阿山ふるさと資料館(鉄骨造平屋、388・8平方メートル)の建物を無償譲渡する議案、道の駅と同センターの他、キャンプ場などを備えた「阿山ふるさとの森公園」を年2091万円で貸し付ける議案と関連条例を廃止する計3議案で、市は2月22日に事業者との財産無償譲渡と不動産賃貸借の仮契約を済ませている。

 市資産経営課によると、仮契約先は運送・倉庫業などを営む大和(同市千戸)で、事業期間は今年4月から30年間。貸付額2091万円は、各施設の土地・建物の評価額(3645万円)から、無償貸与する同センターと同公園の建物分を引いたもので、総合管理、企業誘致、道の駅と同公園、必要な電力を賄う再生エネルギー事業の4部門を、同社を含めた市内の4事業者が担当するという。

 市に提出した企画提案書では、ホールは内部を解体・改修して倉庫にし、休憩所や駐車場を整備。道の駅は現施設の点検・改修の他、地域との連携強化を目指して「伊賀ブランド(IGAMONO)」や阿山地区の歴史・自然などのPRも行う。同公園は、既存施設の整備やコテージ、テントエリアの改修などを計画している。

 市は現在、伊賀市文化都市協会(同センター)、阿山物産振興協同組合(道の駅)への指定管理料、NPO法人「絆」(同公園)への管理業務委託料を毎年計3500から4000万円支出しており、この事業による賃借料2091万円で年6000万円前後の収益が見込めるとしている。2施設の指定管理の期限は2027年度末までで、同センターと同公園は今年4月以降の利用受付を停止しており、同センター内の阿山図書室は3月末に閉館予定。

 この日の委員会で、委員や出席した議員からは「(倉庫に改装予定の)文化センターのホール以外の使いみちは」「減額して貸し付けることはいつ誰が決めたのか」などの質問があり、「この事業で得られる収益を地域振興に役立てていくべき」「入り口付近の交差点での安全対策を」などの意見も挙がった。3議案は採決の結果、いずれも2対3の賛成少数で「否決すべき」と決した。

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