【訓練でドアを切断する消防隊員たち=名張市蔵持町芝出で】

 建物への閉じ込め事故に迅速に対応するため、三重県名張市の名張消防署は10月12日、施錠された玄関ドアを開放する訓練を住宅設備メーカーLIXILの名張工場(蔵持町芝出)で実施した。同社が生産するドアの提供を受け、参加した隊員18人が実際にドアを壊して開放する方法を確認した。

 この日の訓練は、火災などで建物の外に出られない人を救出する想定で実施。隊員たちは同社員からドアの構造などの説明を受けた後、大きさや厚さの異なる2種類の鉄製ドアを使い、バールや斧でU字ロックを破壊する手順を確認した。その後、エンジンカッターでドアを切断し、開けた穴から内鍵を操作する方法も学んだ。

 市消防本部によると、火災や救急事案での閉じ込め事故は近年増加傾向にあるという。昨年は救助出動件数46件のうち、18件の閉じ込め事故が発生した。

 同消防署消防救助室の宮阪昇室長は「実際のドアを使った訓練の機会は少ない。今後の救助活動に生かせれば」と話していた。

 訓練は27日にも同内容であり、別の隊員たちが参加する。

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