【作品を紹介する宮下さん(左)と妹の鈴木さん=伊賀市馬場で】

 小さくて可愛いミニチュアのブーツを手作りしている、三重県伊賀市馬場のパート従業員、宮下清華さん(37)。作品の精巧さから、SNSやイベントなどで評判だ。

宮下さんが手作りしたミニチュアブーツ=同

 8年前、SNSで見たミニチュアブーツに感動したのがきっかけ。編み物などハンドメイドが好きで、早速インターネットや本で調べて自作したが、満足できる出来栄えではなかった。以来、自分流にアレンジして制作するようになった。つま先が「ぷっくりしている」形が好きなので、フォルムの丸さを意識した今のデザインにたどりついたという。

 大きさは約2センチ、使用するのは牛革がメインで、色の組み合わせを考え、耐久性に優れ水にも強い「ろう引き糸」で丁寧に縫い合わせる。靴底にはスタンプで柄を入れるなどこだわった。制作は仕事、子育て、家事の合間の時間を使っている。

 「大好きなものづくりで誰かの笑顔が作れたら、という気持ちがあるのに、口にするのは恥ずかしく、端っこに置いてもらえたら」との思いで、作家名は「HASIKURE.」に。作品は自身のインスタグラム(@hasikure_sk)で紹介し、委託販売やイベントへの出展などでも人気を呼び、ファンを増やしている。

 また、創作活動を続けていく上での〝相棒〟が、愛知県在住の双子の妹、鈴木加奈さん(37)だ。鈴木さんも手作り作品をインスタグラム(@katasumi.k)で発信している作家で、材料の調達や制作の手伝いをしてくれる。イベントでは、作品をともに出展しているそうだ。

 最近は男性からも注文が入るようになったといい、宮下さんは「丁寧に心のこもったものづくりをしていきたい」と話した。

 5月2から4日に同市丸柱の長谷園である「窯出し市」には、鈴木さんの帽子、服などと一緒に、ミニチュアブーツを始めアクセサリーなどを出展予定だ。時間は午前9時から午後5時まで。

2023年4月22日付842号2、3面から

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