【燃え上がるどんど=名張市美旗中村で】

 正月飾りや古いお札をたき上げる伝統行事「どんど焼き」が1月9日、三重県名張市美旗中村の農村公園であった。今年はこれまでで最も高い約19メートルのどんどを燃やし、コロナ禍の終息や世界の平和、住民の健康などを祈った。

約19メートルのどんどの前で営まれた法要=同

 同地区のどんどは、疫病などの災いを防ぐため地区東西の入り口2か所に建てたのが始まりだといい、360年以上続くとされる。2005年からは保存会(髙波秀彦会長)が行事の継続を担っている。

 今年は地区で募集し選ばれた「どんど焼き 平和の炎 舞いあがれ」をキャッチフレーズに実施。組み立ては7日にあり、13本の青竹を束ねて立ち上げ、円形の根元をわらの束などで覆った。先端には、馬型の飾りを取り付けた。

 この日は早朝から約100人の住民が集まり、近くの寺の住職による法要の後に点火。朝焼け空に白煙がたちのぼり、続いて勢いよく炎が上がった。火が落ち着くと、住民らは持ち寄った餅を長さ約2メートルの竹棒の先に刺し、輪になって焼いた。

 近くに住む70代の女性は「どんどの火で餅を焼いて食べると、一年間無病息災で過ごせると言われている。家族分を3つ焼きたい」と話していた。

どんどの火で餅を焼く住民たち=同
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