【発行した初の写真集を手にする石原さん】

 国内外で作品を発表し、フランスの国際公募展「ル・サロン」を始めとするコンテストでも数多く受賞してきた三重県伊賀市上野忍町の写真家、石原健哉さん(82)が初の写真集「光彩の軌跡」(オノウエ印刷)を自費出版した。「50年続けてきた証として作品をまとめた。じっくり見てもらえたら」と話す。

 石原さんの作品は全てフィルム写真で、カメラやレンズを大胆に、あるいは繊細に操作し抽象的な表現技法で撮影するのが特徴。なかでも打ち上げ花火は20年前に魅了されて以来撮り続けている題材だ。

 写真集には花火を中心にモノクロや未発表の作品など計74点を収録した。撮影場所は名張や熊野、伊勢、桑名など県内を中心に大阪の淀川、長野の諏訪湖、秋田の大曲など県外の有名な大会にも足を運び、盛んにシャッターを切ってきた。

 新型コロナウイルスの影響で花火大会が中止になったここ数年は、撮りためた写真の整理に時間を費やすことが多かったという。感染状況が落ち着いて各地の花火大会が再び開かれるのを心待ちにしており、「残りの人生、1点でも多く撮りたい」と、尽きぬ作品への意欲を話した。

 A4判79ページ。税込み2750円。300部を発行し、一部は伊賀市平野西町の岡森書店白鳳店で取り扱っている。

2022年6月11日付821号6面から

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