【忍者衣装を着て著作をPRするソウマチさん=甲賀市で】

 双子の姫同士の大げんかを発端に始まった、伊賀忍者と甲賀忍者の「最強決定戦」は、思いもかけぬ方向へ。2月に小学館ジュニア文庫から刊行された児童書「姫さまですよねっ!?」の著者で、これがデビュー作となった滋賀県甲賀市水口町在住のソウマチさんに執筆に際しての思いを尋ねた。

 福岡県出身で、忍者は「すごくリアルだけど空想上のもの」だと思っていた。10年ほど前から滋賀県に暮らす中で甲賀忍者や伊賀忍者のことを見聞きし、「通信網のほとんど無い時代に情報戦を繰り広げたように、忍者は社会的にもすごい存在だったのでは」と感じるようになった。

 今回の物語は、城内で連日大げんかを繰り広げる8歳の「りり姫」と「清姫」を見かねた父・豊臣秀吉が「甲賀忍者vs伊賀忍者 最強決定戦!」を開催し、個性豊かな忍者たちが技能を競っているうちに、戦いは2人と忍者たちとの知恵比べの様相を呈し、予期せぬ方向へ進む〝ドタバタ歴史コメディー〟で、「第6回小学館ジュニア文庫小説賞大賞」に輝いた。可愛らしいイラストは四日市市在住の七海喜つゆりさんが担当した。

 執筆に際しては伊賀地域へも足を運び、忍者のさまざまな技能、非常食にしたとも言われる菓子「かたやき」、伊賀くみひもなどについても調べたそうで、「和菓子店、観光案内所、書店など伊賀の皆さんにとても親切にして頂き、ありがたい気持ちでいっぱい。三重や滋賀の良いところを伝え、愉快なひとときをお届けできたらありがたい」と話していた。

 書籍は新書版192ページ。税別650円で、全国の主要書店、児童書売り場で購入できる。

2022年3月26日付816号4面から

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