伊賀市役所

【伊賀市役所=同市四十九町】

市営住宅駐車場の過誤納返還金

 三重県伊賀市が規定する条例がないのに市営住宅駐車場の使用料を違法に徴収していた問題で6月25日、市の内部文書に過誤納返還金の法的な判断は「(最高裁)判例が直接時効に対し判断したものではなく、かなり行政側に都合よく判例を解釈したものである」と記した資料が含まれていたことがわかった。市が今月提出した一般会計補正予算には、消滅時効が発生しない最大5年分の同返還金約168万円が含まれており、26日の市議会本会議で採決がある。

 この資料の表題は「公法上の関係から発生した不当利得返還請求と時効の関係」で、弁護士である市の法務統括監が考察しまとめた。例規に基づかない駐車場使用料の不当利得返還請求権の問題に対し、時効の規定を地方自治法(公法上の債務)または民法(私法上の債務)のどちらに求めるかは最高裁の判例が現時点で出ていない。

「下級審判例でも存在しない」

 時効の成立について、資料では私法上の債権の場合が5年または10年、公法上の債権の場合が5年と整理している。市の不当利得が公法上の債務と解釈する場合の有利な点として「時効処理が簡素」、不利な点には「法律構成が複雑」「下級審の判例でもこの法律構成は存在しない」などと列記。一方、私法上の債務と解釈する場合の有利な点は「法律構成が簡素」「下級審で同様の構成を取る裁判例が数件存在する」などで、不利な点は「時効処理が複雑」とまとめていた。

 また、公法上の債務とした場合は「行政に有利となる構成は民間との不公平感を極力無くそうとしている昨今の最高裁の判断にはなじまないといえる」と指摘している。同問題が最高裁で判断される場合にも触れており、「時効については民法に従うと判断される可能性が高い」との考えを示していた。

 25日の定例会見の質疑で、稲森稔尚市長は「駐車場のエリアを行政財産の目的外使用であると解釈し、公法上の債権と位置づけたものと認識している。いずれにしても、誠心誠意対応しなければならないという検討を指示した中で、最終的にこのような判断に至った」と話した。法務統括監が考察をまとめ提出した資料については「読んだ記憶がない」と答えた。

- 広告 -