【試合会場で外国人選手(右)と話しをする松鹿さん(提供写真)】

 男子ハンドボールの国内トップリーグを6連覇した社会人チーム「豊田合成ブルーファルコン名古屋」で、通訳として活躍する三重県名張市東町出身の松鹿愛さん(41)。「めちゃくちゃ面白いスポーツ。伊賀地域の人にも、一度は試合を見に来てほしい」と話す。

 幼少期、身近にアメリカ人がいたことで英語に親しみ、外国人と話すことが好きになった。名張西高時代は1年間の米国留学を経験。大学ではロシア語を専攻し、ロシアに1年間留学した。

 スポーツは、中学・高校時代のバスケットボールと大学時代のアメリカンフットボールに携わったが、ハンドボールとは全く縁がなかったという。

 大学卒業後は地元ケーブルテレビ局で約7年間、番組制作の部署に所属した。その後、「一度は海外で働きたい」と渡米し、幼少期からの夢だったフロリダ州のウォルトディズニーワールド(WDW)で勤務。レストランで、パフォーマンスシェフを1年半務めた。

 帰国後は京都の高校で教員として働いたが、再び渡米。WDW内の高級飲食店で、日本の酒や文化の魅力を伝える役割を担った。

 コロナ禍の2020年に帰国し、地元で3年間働いた後、愛知県に移住。知人からブルーファルコン名古屋の通訳に誘われた。未経験の世界で、当初は「自分にはできない」と思い込んでいたが、次第に「挑戦したい」との思いに変わったという。

笑顔を見せる松鹿さん(中央)ら(提供写真)

未経験からチームの要に

 採用後、ルールや戦術を一から学んだ。当時はキューバやスペイン、韓国、台湾出身の選手やコーチが在籍しており、監督の指示を英語で伝え、外国人コーチの話を日本語で日本人選手に伝える役割を担った。「ルールも十分に分からない状態でトップチームに入るプレッシャーは大きかった」と振り返る一方、「スタッフや選手が寛大で、根気よく教えてくれた。それは今も続いている」と感謝を口にする。

 通訳の仕事は競技面にとどまらず、外国人選手やコーチの生活上の手続きなども担う。チームが所属するリーグHの遠征先は東北から沖縄まで全国各地に及び、昨年はスペイン遠征も経験した。

 「選手たちが楽しそうにプレーする姿を見ると元気をもらえる。細やかに応えられる通訳になりたい」と松鹿さん。今ではすっかり競技の魅力に引き込まれており、「見る機会が少ない競技だが、迫力がすごい。とにかく見て」と笑顔を見せた。

優勝ポスターを手に魅力を語る松鹿さん=名張市で
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