【西村さんが遺した作品を手にする河野さん(左)と織愛さん=伊賀市で】
「ひたむきに描いた人柄知って」
「時代が変わってもひたむきに描き続けた人柄を感じ取って」。晩年を三重県伊賀市で過ごし、昨年3月に89歳で亡くなった日本画家・西村美都(本名・美都子)さんをしのぶ作品展が、6月5から14日まで同市上野忍町の武家屋敷赤井家住宅で開かれる。
西村さんは京都市で日本画家の父・朝喜(雅号・魁人)さん、洋画家の母・ともさんの間に生まれた。滋賀県に移った10代のころから朝喜さんに師事して肖像画や水墨画、仏画の制作に携わり、父の没後は仏画が中心に。4姉妹を授かり、2003年に大阪市へ移住して三女・織愛さん(53)と暮らし始めてからは、誰もが仏画や日本画に親しみやすいよう、塗り絵や写仏下図などの教材作りにも取り組んできた。
次女・河野鈴鹿さん(56)が暮らす伊賀市に移ったのは70代前半だった10年のこと。木津川沿いに広がる水田の風景を眺めるのがお気に入りで、自宅兼アトリエで精力的に創作に励んできた。鈴鹿さんと織愛さんは「戦中・戦後を生きて私たちを育て、画家として生きてきた強さやひたむきさが印象に残っている」と振り返る。
「忙しくても必ず手作りの料理を食べさせてくれた」と語る鈴鹿さんは、野菜だけを使った料理教室を主宰。「知らず知らず同じ道に進み、ひたむきに描き続ける姿勢から学んだ」という織愛さんはデザイナーとして活躍。それぞれに母から影響を受けてきた。
西村さんは89歳の誕生日だった昨年1月3日に体調を崩し、自力で立てなくなった。長女・桜さん(63)は英国在住だが、市内に住む四女・森井真美さん(52)も含め娘3人が最期の約2か月をともに過ごした。「母は晩年も『絵は難しい』とつぶやいていた。究めているように思えても、思うようにいかない難しさがあったようだ」と鈴鹿さんらは思いをはせる。
作品展は伊賀市文化都市協会の主催で、鈴鹿さんと織愛さんが半年ほど前から企画してきた。展示する仏画19点はほとんどが初披露で、西村さんが使っていた絵筆や画材なども並ぶ。鈴鹿さんと織愛さんは「近所の方や、介護を担当してくれた方など、晩年を過ごした伊賀の皆さんに感謝を伝えたい。たくさんの方にご覧いただけたら」と思いを話した。
時間は午前9時30分から午後5時(最終日は同3時)まで。入場無料。10日休館。
問い合わせは同協会(0595・22・0511)まで。














