【今も積まれた漁網が残る工場跡で漁網を使った作品を紹介する吉田さん=四日市市平町で】

忍者や俳句で創作も

 祖父が遺した漁網工場をアトリエに、漁網からアクセサリーやアート作品を生み出している、三重県菰野町在住の美術家、吉田凱一さん(26)の個展「隠れ蓑」が、2月24日から3月3日まで伊賀市内で開かれる。伊賀地域での初個展には、忍者や芭蕉、能などの要素を盛り込み、「作品を見て驚いてほしい」と話す。

 四日市市平町にある祖父・常信さんの工場跡地には、多種多様な漁網が今も積まれている。吉田さんは大学卒業後、漁網の技術や業界を知るため大手メーカーに就職。2年間、営業で全国を飛び回りながら、日々漁網や漁業関係者らと関わる中で、「自分で作ったものを世に出したい」という思いが強まった。

 さまざまな廃棄物を作品に変えるアーティスト、長坂真護さんに学び、釣り針をあしらった漁網のブレスレットを作ったのが創作活動の第一歩だった。製網業が盛んだった四日市の産業や文化を伝えていこうと考えていたこともあるが、現在は「公害のことや今までの努力、四日市以外の県内のことも発信していきたい」と感じているという。

 伊賀での個展に向けては「自分なりに調べて発見があったことを形にした」そうで、漁網で天体を表現した「惑星シリーズ」、東日本大震災や能登半島地震の被災地の復興を願う「祈りシリーズ」を中心に配置。忍者をモチーフにしたオブジェ、漁網ドレス、伊賀を詠んだ俳句の世界を生成AIを活用して描いた絵なども並ぶ予定だ。

 会場は伊賀市上野福居町のギャラリー「アートスペースいが」。時間は午前11時から午後6時まで。入場無料。

 問い合わせは同ギャラリー(0595・22・0522)まで。

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