【作品を披露する松田さん=伊賀市平野西町で】

 麦わらに糸を通して幾何学模様に仕上げた、北欧フィンランドの伝統的なつるし飾り「ヒンメリ」の美しさに魅せられ、作家として活動する、三重県伊賀市希望ヶ丘西の松田典美さん。作品を手にした人から「ゆらゆらと静かに揺れる様子が幻想的」「心を安らげてくれる」と好評だ。

松田さんの作品

 手作りするのが好きだった松田さんは、子どもが小学校に入学した5年前、ものづくりへの衝動が再燃。お気に入りの服飾ブランドなどの生地でマスクやターバンなどの小物を作り始めた。

 「北欧系のデザインが好き」だったことから、ヒンメリにも興味を持ち、本を見ながら作ったのが2年前。麦わらを切って、たこ糸などを通し、基本となる八面体はもとより、さまざまな多面体を作って自身のセンスで組み合わせる。

 軽いのが特徴で、素材によっては屋外に飾ることもできる。ただし、麦わらを湿らせたり、割れないように細工して乾かしたりと、実際に創作するまでの下準備に苦労するそうだ。

 仕上げた作品は3センチほどの小さなものから、大きいものでは80センチを超す。珍しい飾りのため、地元のイベントなどに出品すると「何これ?」と不思議がられることもあるという。

 麦わらをカラフルなストローに置き換えてアレンジしたりもし、最近は真鍮の作品が気に入っており、屋号をアカウントに入れたインスタグラム(@coccinelle.h)で発信している。ヒンメリ以外の作品は岡森書店白鳳店(同市平野西町)内の委託販売スペース「グリーンモール」にもある。

 松田さんは「リビングや窓辺にぶら下げ、風に揺れる影を壁に映して楽しんでもらえたら」とニッコリ。

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