【飛来したアサギマダラ(岩城勝子さん撮影)】

3年ぶり飛来「奇麗で見事」

 「旅するチョウ」として知られるアサギマダラがこのほど、岩城和夫さん(73)、勝子さん(74)夫妻が営む三重県伊賀市西明寺のクリーニング店の裏庭に植えているフジバカマにやってきた。3年ぶりの飛来で、前回は1匹だったが、今回は7、8匹が一度にやってきた。

 アサギマダラは越冬で数千キロを移動することが知られており、フジバカマの花を好むとされる。10月19日、フジバカマの近くで勝子さんが草引きをしていたところ、頭上にひらひらと舞うたくさんのチョウが現れた。「何だろう」と観察してみると、以前見たことのあるアサギマダラだった。勝子さんは、すぐさま夫を呼びに行った。

 前回は勝子さんしか見ることができず、岩城さんは写真を見せてもらっただけだった。仕事の手を止め、岩城さんが駆け付けると、何匹ものアサギマダラが乱舞していた。初めて見た岩城さんは「妻の言う通り、本当に奇麗で見事なんやなあ」と感慨深く眺めたという。「来年もまたうちに来てほしいな」と2人は願っている。


畑に飛来したアサギマダラ(小河正勝さん撮影)

石川・白山から名張へ

 昨年、畑のフジバカマに初めてアサギマダラが飛来した名張市つつじが丘北3番町の佐藤佳身さん(78)方で、今年も10月初旬から多い日で十数匹が飛んだ。

 念願のアサギマダラを目にできたことで、フジバカマの株を昨年から3倍ほどに増やし、飛来を心待ちにしていたという。近所の友人に撮影してもらったアサギマダラの羽には「白山」「9・14」などのマークがあり、名張から直線距離で約250キロ離れた石川県白山市で確認された個体とみられる。

2021年11月6日付807号2、3面から

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