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伊賀の底力 「なばリーフ」で全国へ発信 名張シティファーム

171025_11.jpg 窓のない巨大な外観が一際目を引く施設が名張市新田に建設された。日光を遮断し、LED照明のみで植物を育てる完全閉鎖型の水耕栽培植物工場「名張シティファーム」だ。事業を手掛ける「晃商」(本社・京都市)は「名張の名を付けた独自商品を売り出し、全国に発信したい」と意気込む。【LED照明のみで野菜が育てられる工場=名張市新田で】

 同社は、伊賀地域で「伊賀の湯」「名張の湯」や商業施設を営んでいる。2015年7月から、名張の湯に隣接した実験施設「名張シティファームLab.」(200平方メートル)で生育に適した条件や採算性を調査。自社の焼肉レストランや直売所で一部提供し、手応えを感じ、本格始動に乗り出した。

171025_11-3.jpg 新設の工場は休耕農地6500平方メートルを転用した鉄骨平屋建て1640平方メートル。栽培室では、縦1・2㍍、横40㍍もの巨大な水耕ベッド100台が稼働する。LED照明は総数で1万6千台。9月25日から本格稼働が始まった。【窓のない外観が目を引く工場=名張市新田で】

 ここで生産するのは、総量の7割強を占めるフリルレタスなどのレタス類に、ケールやコマツナなど約10品種。苗を浮かべたベッドは肥料が溶け込んだ養液が常に循環し、真上に設けられたLED照明を浴び、露地栽培よりも早い35日から40日で生育する。

171025_11-2 .jpg 樋口研司工場長(68)は「食の安全性が強調される今、防虫対策や徹底した衛生管理の中で育った野菜を安く、更に気象や気温に左右されず安定的に供給できるのはメリット」と魅力を語る。【実験施設で野菜の生育状況を確認する職員=名張市希央台2で】

 養液の濃度管理や室内温度は全てプログラムで管理し、収穫した野菜は工場内でパッケージ。そのまま東海・関西圏のスーパーへ出荷する。

国内最大級の生産量へ

 作業に携わるのは、地元の美旗地域を中心に雇用したパート従業員ら約30人。稼働から初収穫となる11月上旬には、3千株から4千株を出荷できる見込みだ。来年までには、日産1万6千株の収穫量を目指すという。これは国内の同様施設では最大級の生産量だ。更に将来的には販路を拡大し、関東圏への出荷も狙う。

 生産する野菜は名張の名にちなんだ独自ブランド「なばリーフ」と名付けて出荷する。ふわふわした葉と歯応えなど、同市をイメージした商品になるといい、同社の新井義淳社長の強い思いが形となった。

 樋口工場長は「市内での事業を通じ、名張市の発展に寄与したいという思いが募っていった。大阪、名古屋の中間地点である名張ならではの地の利を生かし、なばリーフを通じて農業主体の町である名張のイメージを全国に伝えたい」と話した。

2017年10月14日付709号18面から

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