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名張市に50万円賠償命令 議員の名誉毀損で 名古屋高裁

 名張市議会の柏元三議員(73)(改新)が、委員会視察を許可無く欠席して受けた厳重注意処分で名誉を傷付けられたとして、市に賠償金を求めた裁判の控訴審で、名古屋高裁は9月14日、市に50万円の支払いを命じる判決を出した。

 市議会事務局などによると、柏議員は2015年1月、市議会で公務とする常任委員会の視察を欠席。2月に市議会から厳重注意処分を受けた。8月、処分は違法で名誉を毀損されたとし、賠償金500万円の損害賠償請求訴訟を起こしたが、16年8月の津地裁の判決で「処分の決定と公表は公益を図るもので違法性は認められない」として棄却。同月中に控訴していた。

 1960年の最高裁判決では、市議会の処分については原則、除名以外は司法審査の対象としないとしているが、今回の判決では、「一切を対象としないわけではない」として、内容を審査。判決では委員会派遣が公務と扱われるかに触れ、法律上議長に委員会派遣の出張命令権限はなく、また市議会の委員会条例で規定している議決を欠いていたことから公務と認められないと判断。市議会が公務を欠席したとする「厳重注意処分」は違法とし、津地裁の判決を覆した。

 判決を受け、市議会の細矢一宏議長は極めて遺憾とした上で、「今後の議会運営上も基準となるものも示されておらず、受け入れるには大きな抵抗を感じている」とコメント。今後、市から判決の報告を受け議会運営委員会などを経て上告の可否を協議、市議会9月定例会の採決日の22日をめどに、上告を求める議案を上程する方針。

 亀井利克市長は「市の主張が認められなかったが、本件は執行部があまり立ち入るべきものではない。判決内容を精査し、対応を検討する」、柏議員の代理弁護士の冠木克彦さんは「地方議会がいろいろな慣例をあたかも法的効力があるように運用してきたのに対し、厳密にその内容を審査すべきとした重要な裁判例」とコメントしている。

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