【消防団員とともに放水を体験する参加者=伊賀市西明寺で(伊賀市消防団提供、2枚とも)】

 南海トラフ地震の発生を想定した「伊賀市総合防災訓練」と「中瀬地区総合防災訓練」が11月5日、三重県伊賀市西明寺の中瀬小学校などで開かれ、地域住民や協力団体の関係者ら約1400人(主催者発表)が参加した。

 同市が市内の住民自治協議会と合同で毎年実施しているもの。今回は中瀬地区との合同開催で、電気・通信などライフライン関連の事業所、自衛隊、警察など12の団体、市消防団の上野東分団と女性分団(しのび小町)も参加。発災に備えて相互の連携を強め、公助の強化を図ることを目的としている。

 この日は、午前7時30分に過去最大級の南海トラフ地震が発生し、同地区を含む市内の大部分で震度5強を観測したことを想定。最初に市と地区により情報収集・伝達、安否確認、避難所開設などの訓練が行われた後、同9時30分からの開会式で、中瀬地区住民自治協議会の山根政広会長が「近年、震度の大きい地震が数多く起きていて、伊賀でもどんな災害が起こるか分からない。地域の防災力を上げていきたい」とあいさつした。

(伊賀市消防団提供)

 同小グラウンドと体育館では、消防団員が指導する消火・救護訓練、防災クイズ、保存水やポリ袋を活用した炊き出し実践、起震車や煙道の体験、車両展示、などがあり、住民らがグループに分かれて各ブースを体験。災害協定機関の三重福山通運のトラックで県伊賀広域防災拠点(同市荒木)から同小体育館まで救援物資を搬送する訓練も行われた=写真2枚目

 閉会式で、伊賀地域防災総合事務所の辻上浩司所長は「さまざまな体験ができる貴重な機会に、地域ぐるみ・家族ぐるみで参加して頂くことができた。今夏の台風災害時のように、停電などで情報伝達ができなくなるような場合も想定し、今後とも実りの多い訓練を続けていって頂きたい」と話した。

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