【切り出した女竹を整える参加者=名張市滝之原で】

 奈良・唐招提寺の伝統行事「うちわまき」で使われるハート形のうちわ「宝扇」の材料となる女竹(めだけ)の伐採と選別作業が1月11日、三重県名張市滝之原であった。市民有志でつくる「唐招提寺に竹を送る会」の会員ら約30人が作業に取り組んだ。

 うちわまきは700年以上の歴史があるとされ、毎年5月19日に行われている。うちわの軸などに使う竹材が不足したため、2011年から同会が毎年納めている。

 この日、参加者たちは切り出した女竹の葉を取り、節を合わせて長さ約4メートルにそろえ、束にした。事前に用意していたものを含む1900本を、19日に唐招提寺へ運ぶ予定。例年は参加者の一般募集をしていたが、コロナ禍で今年も前年に続き見合わせる。女竹は、奉納後に約1年間乾燥させてから加工される。

 同会の奥西勲会長(81)は「早くコロナ禍が収束し、参加者を一般募集できるようになれば」と話した。同会では今年、うちわへの加工工程の見学会の実施を検討している。

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