【感謝状贈呈式に出席した(左から)八村消防長、大森さん、稲澤さん=名張市鴻之台1で】

 三重県の名張市消防本部は2月15日、昨年12月に市内のコインランドリーで起きた火災で119番通報や初期消火活動を行い、被害を最小限にとどめることに貢献したとして、東京都の高校体育教諭、大森淳司さん(47)に感謝状を贈呈した。

 火災は12月27日午後8時35分ごろ、名張市夏見のショッピングセンター敷地内にあるコインランドリーで発生。店内の衣類乾燥機から出火し、中にあった衣類が燃えた。

 大森さんは東京都葛飾区にある私立修徳高校柔道部の顧問で、県立名張高校(名張市東町)を会場に開かれていた三重とこわか国体柔道競技の代替大会のため、部員10人とともに同市を訪れていた。宿泊先から徒歩5分ほどのスーパーで部員たちの夜食を買い、帰ろうとした時、避難する女性の声で火災に気づいた。すぐさま119番通報した後、店舗備え付けの消火器を手にコインランドリーの中に入り、炎が噴き出す衣類乾燥機に噴射。消防隊が到着するまでに、火をほぼ消し止めた。

 この日は市防災センター(鴻之台1)と修徳高をウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」でつなぎ、感謝状贈呈式が開かれた。大森さんがリモートで参加する中、親交のある名張高柔道部顧問の稲澤真人さんが代理として八村知成消防長から感謝状を受け取った。

 大森さんは「正直怖かったが、『行くしかない』と中に入って消火した。初めての経験だったが、少しでも役に立てて良かった。改めて火災の恐ろしさを感じた」と語った。八村消防長は「早期の通報と適切、勇敢な消火活動により、大災害になってもおかしくないところを防いで頂いた。感謝に堪えない」と礼を述べた。

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