英国編(後編)

本紙ライター・坪田多佳子

  ▲菜穂子さん

 海外でも展開するピンクリボン運動。他国の人たちと話すと、日本とは違った事情も垣間見え、考え方のヒントになることにも出会う。今回は、前回に続き英国在住のマルヴィー菜穂子さんとの会話を紹介する。(N=菜穂子さん、T=私・坪田多佳子)

T 英国でのピンクリボン運動の様子は?

N 店のディスプレーがピンク色になったり、駅などにピンクの風船が飾られたりする。募金活動も盛んよ。

T 認知度は高そうね。乳がんについてはどう?

N がんについて語ること自体、特別なことではないわ。

T 日本も以前より語られるけど、がんを周囲に告げる難しさはあると思う。

N 昨年、英国の公共放送BBCが「今年の女性100人」に小林麻央さんを選出したの。その中で「日本ではがんについて表だって話すのは珍しい」「日本人は個人的なことを他人に話すのをためらいがち」と紹介していた。ここは日本より、もっとオープン。抗がん剤治療をキーモセラピーというのだけど、例えば「キーモしてるから髪が抜けたの」と、ウィッグなしでも過ごす人もいるし、「キーモするから半年仕事休みますね」とあっさり語る人もいる。

T 日本との違いといえば、菜穂子さんが教えてくれた英国国民保険サービスのサイト。乳がん検診の利益と不利益の説明のページに「乳がん検診を受けるか受けないかはあなた次第です」と書かれていた。

N 自己責任を問われる文化だから。自分で調べて自分で判断するのが当たり前ということなの。

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 「日本にいると親切に何でもやってもらえて心地よいけど、自分で考えなくなることもあるわ」と、菜穂子さん。自分の身体のことは自分で責任を持つ。それは「がん予防」だけでなく、健康を考える上での基本、と言えそうだ。

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マルヴィー菜穂子さん 日本語教師・研究者。家族は、英国人の夫、子ども3人。英国在住。

(※)ピンクリボン海外事情は今回で終了です。

伊賀タウン情報YOU 2017年3月前半(695)号」より