事故乗り越えアジアの舞台へ パラ卓球日本代表・池山さん 津市出身

9月上旬にあった全日本パラ卓球選手権大会でプレーする池山さん(本人提供)

 10月18日に愛知県で開幕するアジアパラ競技大会のパラ卓球に、三重県津市美杉町太郎生出身の池山優花さん(26)が日本代表として出場する。車いすクラス3の女子シングルスとミックスダブルスに挑む。

 「一生、迷惑かける。ごめん」

 2019年4月、大学の入学式を終え、友人が運転する車の後部座席に乗っていた池山さんは交通事故に遭った。背中に激痛を感じながら救助を待つ間、電話で母親にそう伝えた。

 背骨を骨折し、脊髄を損傷。下半身が動かなくなったことを、陸上競技に打ち込んできた池山さんはすぐに理解した。小学生から100メートルで活躍し、推薦で津商業高校へ進学。走ることが当たり前の日々だった。

閉ざした日々 名張で転機

 事故後は手術とリハビリのため約9か月間入院。退院後は家族の支えを受け、名張市つつじが丘のバリアフリー住宅へ移ったが、外出を避けて自宅で過ごす日々が続いた。事故のフラッシュバックに悩まされ、SNSで同級生たちの何気ない日常を見ると気持ちが沈んだ。

メダルを手にする池山さん(同)

 転機は事故から約2年後。「何かしたい」と思っていたころ、義兄に誘われて市内の卓球クラブを訪れた。片側にまひがある人もラケットを握り、競技を楽しんでいた。

 「久しぶりに、楽しいと思えた」。それから毎週通って腕を磨き、翌年には県大会を制して栃木県であった全国障害者スポーツ大会に出場。その後、全日本パラ卓球選手権大会でベスト4入りし、日本代表として国際大会にも出場した。

「自分を信じて」

 昨年秋には全日本で初優勝。今年9月7日には東京・ひがしんアリーナで行われた同大会クラス3で2連覇を果たした。

 決勝の相手は、オーストラリアで2月にあった大会で敗れた選手。「いかに打たせないかが鍵」と対策を重ね、得意のバックハンドを生かす展開に持ち込んだ。ゲームカウント3対1で勝利すると、母親は大泣きして喜んだという。

 現在は車いす選手が中心の卓球チーム「ファンタジスタ」(大阪府)に所属。一人暮らしをし、海外遠征にも一人で向かう。

 事故直後の自分に声を掛けるなら――。「自分を信じてあげて。不安も多かったし、自分自身もわからなくなっていたけど、何も心配いらない、大丈夫、自分を信じて」

メダル狙う

 アジアの選手層は厚く、技術も高い。「技術を吸収して、今後の自分のものにしていきたい」と意気込み、「狙うからには、メダルを」と目標を語る。

 「自分の持ち味を出して、思い切り戦いたい」。池山さんはアジアパラの舞台に立つ。

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