美術博物館の基本計画を答申 伊賀市長「構想は抜本的に見直す」

答申後、稲森市長と意見を交わす藤田委員長(左から3人目)=伊賀市役所で

 三重県伊賀市の美術博物館建設準備委員会は8月5日、芭蕉翁記念館の機能を含む新たな施設の基本計画を答申した。稲森稔尚市長は「理念は生かしていく」とするも、「構想は抜本的に見直さなければならないと考えている。新たに建設をすることばかりではない。それが私の基本的な考え方」と否定的な意見を述べた。

 策定を諮問したのは2024年7月。基本計画には建設候補地が最終確定ではないが、十分な敷地などで優位とする「桃青中跡地」と「旧上野図書館」の2か所を示している。藤田真一委員長(関西大名誉教授)はこの日、最終的な候補地選定で意思決定の透明性確保や、芭蕉や美術工芸など4分野に各専門の学芸員を配置することを求める提言書を提出した。

 答申後、稲森市長は24年11月の就任時から懸念している点として「前市長の時代に打ち出された構想はスケールの大きな話で、市民理解が進んでいるとは言い難い」と指摘。施設計画に示された3800平方メートルの延床面積に対し「数十億円の事業費がかかり、極めて非現実的」と述べた。藤田委員長は「一つの目安。結論で出したわけではない。どのくらいの展示室や保管庫が可能か議論を重ねた。現記念館が老朽化し、支障が生じている」と理解を求めた。

 美術博物館の建設計画を巡っては、稲森市長が選挙後の当選証書付与式で「基金を積んで20年以上検討してきた芭蕉記念館をしっかり先行させ、箱物としての美術博物館は見直す」と主張。今月中旬予定の市議会議員全員協議会で市の方針を説明するとしている。

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