三重県名張市は9月16日、市有の公共施設について、今後20年間に必要となる大規模改修や長寿命化の費用を約423億7000万円と試算し、市議会行財政改革調査特別委員会に報告した。年平均では約21億2000万円。人口減少や少子高齢化が進む中、市は「全ての施設を現状のまま維持・管理し続けることは極めて困難」とし、施設の集約化や複合化などを選択肢に再配置計画の策定を進める。
同市では1960年代から2000年ごろにかけて人口が急増し、多くの公共施設が整備された。約423億7000万円は、全ての公共施設(約670棟)を現状のまま維持し、必要な大規模改修や長寿命化工事を行った場合に、2046年度までに必要となる費用を試算したものとしている。
市は、公共施設劣化状況調査を2024、25年度の2年間で実施。市が保有する主要な公共建築物のうち、建築年数の浅い施設や小中学校、市営住宅、インフラ施設などを除く135施設234棟を対象に、屋根・屋上、外壁、内装、電気設備、機械設備などを調査した。
調査では建物の状態を「健全度」として100点満点で評価。76から100点が71棟、51から75点が73棟、26から50点が78棟、0から25点が12棟だった。25点以下は「構造耐力上の懸念、コンクリート片の落下危険、主要設備の全面故障など、利用者の安全確保に支障がある」状態。市は「全体的な方針を検討する段階」として個別の施設名は公表していないが、25点以下の12棟について「市民が常時利用する施設は少なく、直ちに危険は及ばない」と説明している。
また、市が2、3月に実施した市民アンケート(回答1033件)では、「公共施設に対する望ましい取り組みの方向性」として、約半数が「公共施設の集約化・複合化を」を選択した。
市は、劣化状況調査やアンケート結果を踏まえ、学識経験者らを含む公共施設再配置計画検討委員会で協議を進める。27年3月に再配置計画の素案をまとめ、パブリックコメントなどを経て、同12月に策定・公表する予定。







